ドバイでの生活も少しずつ板についてきた今日この頃。
弊社グループでは、UAE・ドバイを拠点にITやブランディングの事業を展開しています。
最近は、インドネシアにもオフショア開発の関連会社を設立し、海外展開をさらに加速させているところです。
「どうして海外なんですか?」
そんな質問をよくいただきます。でも、答えはいつもシンプルです。
“市場としての可能性”があること。そして“多様な人と文化に出会えること”。
でも、もっと本質的な理由を言うなら——
人は心が原動力。常にワクワクできるかどうかが、すべての起点になると思っています。
たとえばエンジニアなら、
異国の地で、新しい仲間と手を取り合いながらプロダクトをつくる。
文化も言語も違うけれど、IT技術は世界の共通語。
「今の自分は、どこまで通用するんだろう?」と、胸が高鳴る瞬間があるのではないでしょうか?
そして何より、
“選択肢がある”ということは、それ自体が強さだと思うんです。
東京で働くのもいい、ドバイで挑戦するのもいいと思います。
バクーで暮らしながらリモートで開発に関わることだって、今の時代は可能です。
そんなふうに、場所も役割も、働き方さえも選べる状態。
自分の“心が動く場所”を、自分で選べるという自由。
それが、個人にとっても、企業にとっても、何よりの“強さ”なんじゃないかと感じています。
もちろん、日本で得た知見やスキルも宝物です。でも、やっぱり現地に身を置いて、暮らして、働いて、対話する——そんなリアルな体験の中でこそ、本当に大切な“気づき”って生まれるものだと考えています。
だから私たちは、短期出張や形式的な視察よりも、“その土地の空気を吸う”ような滞在スタイルを大事にしています。
というわけで、今年のゴールデンウィークは、アゼルバイジャンの首都・バクーへ行ってきました。
…と言っても、ドバイから直行便でたった3時間。感覚的には東京〜沖縄くらいの距離感です。
でも、降り立った瞬間に感じる空気はまるで別世界。ドバイから3時間飛行機に乗っただけでこんなに涼しいなんて。。。
そして街並みは、どこを切り取っても美しい。。。
芸術的で、ただ歩くだけで楽しい。歴史とモダンが同居している、不思議な魅力の街でした。

バクーの街並み:ヨーロッパのような美しさと文化が織りなす街
バクーの街を歩いて、最初に感じたのは、**「なんかすごく整っててきれいだな」**ということでした。
石でできた建物がずらっと並んでいて、
ベランダの柵とか、街灯の形とかがちょっと凝っていておしゃれ。
その中に丸いドームの屋根があったりして、ちょっと不思議な組み合わせなんだけど、
なぜか全部がしっくり馴染んでる。
どこかヨーロッパっぽい雰囲気もあるし、異国感もしっかりあって、
ただ歩いてるだけでも気分がよかったです。
特に感じたのは、**「ちゃんと手入れされてる街だな」**ってこと。
道はきれいだし、看板もうるさくないし、
建物も「観光向けに飾ってる」んじゃなくて、普段からこうなんだろうなって思える自然さがある。
あと、カスピ海沿いのバクー・ブルバード。
風が気持ちよくて、ベンチでのんびりしてる人たちの横を通り過ぎると、
そのすぐ後ろには、ずっと昔のまま残ってる旧市街がある。
新しい街と古い街が、違和感なく並んでいる感じがすごく印象的でした。
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公園と緑の豊かさ:都市に溶け込む自然の存在感
バクーの街を歩いていて、ふと気づいたことがあります。
それは、**「あ、この街、やたらと緑が多いな」**ということ。
石造りの建物が整然と並ぶ歴史的な街並みの中に、
ふわっと優しく差し込んでくる緑の存在感。
大きなものからこぢんまりとしたものまで、公園があちこちに点在していて、どこを歩いても“自然がすぐそばにいる感覚”があるんです。
それがこの街の印象を、ぐっと柔らかくしてくれている。
都会でありながら、人の暮らしのリズムが穏やかに整えられているような、そんな気がしました。
おすすめの公園はこちら:
🏞️ アップランド・パーク(Upland Park)
バクーの街とカスピ海を一望できる展望公園、アップランド・パーク。
特に夕方から夜にかけては、景色の変化がすごくきれいで、
空の色が少しずつ変わっていく中で、街の灯りがじわっと浮かび上がってくる感じがありました。
敷地内には慰霊碑や記念碑もあって、周りは静かで落ち着いた雰囲気。
広大な作りになっているので、週末で人はいるけど混んでいる感じはしませんでした。
ただ、ケーブルカーは長蛇の列ができていたので使用しませんでした。


🌊 バクー・ブルバード(Baku Boulevard)
カスピ海沿いにずっと続く「バクー・ブルバード」。
芝生やベンチ、カフェなんかがあって、散歩するにはちょうどいい場所です。
歩いていると、家族連れがのんびりしていたり、
ギターを弾いてる人、ジョギングしてる人、芝生でくつろいでるカップルもいたりして、
それぞれが自然に過ごしている感じがして、変に作られていない感じがよかったです。
街の中心部に近い場所なのに、こんなにゆるい空気感なんだなと思いました。
朝に歩いても、夕方に立ち寄っても、どっちも気持ちよかったです。


🌿 ビクトリーパーク(Victory Park)
広い公園の中に、ひときわ大きなゲートが立っています。
凱旋門っぽい形で、遠くからでもすぐに目に入ります。
この日はちょうどマラソン大会があって、
ゲートのあたりがゴール地点になっていたようで、人がそこそこ集まっていました。
でも、がやがや騒がしい感じではなくて、みんなそれぞれ落ち着いて過ごしている雰囲気。
たぶん、普段はもっと静かで、
観光スポットというよりは、たまたま通りかかって「あ、これ何だろう?」って立ち止まるような場所かもしれません。
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治安と人の距離感:安心して過ごせる“静かな歓迎”
バクーの街は、驚くほど治安がよく、夜でも安心して歩ける空気があります。
旧市街や市内中心部では警察の姿もよく見かけ、
観光客が戸惑っていても、地元の人がさりげなく声をかけてくれる——
そんな自然なやさしさが感じられる街です。
地下鉄の場所が分からなかったとき、バスで降りる場所に迷ったとき、
さらにはモールで出口を探してウロウロしていたときも(笑)、
周囲の人たちが静かに、でも確かに助けてくれました。
アゼルバイジャンの人々は、フレンドリーすぎず、でも決して冷たくない。
そのちょうどいい距離感が、心地よかったです。
言葉が通じない場面も多いけれど、
Google翻訳とちょっとしたジェスチャーで十分。
“通じ合おう”という気持ちがあれば、不思議と困ることはありませんでした。
「ジャパン?」と聞かれ、答えると笑顔が返ってくる。
そんなやり取りに、こちらまでほっとするような場面が何度もありました。
グルメの魅力:素材を活かした優しい味。おすすめは「ドルマ」
アゼルバイジャンのごはん、正直どれもおいしかったです。
中東とか中央アジアっぽい感じもありつつ、どこか懐かしい味が多くて、食べやすかった印象。
なかでも気に入ったのは「ドルマ(Dolma)」。
葡萄の葉とかナスに、スパイスとひき肉入りのごはんが詰められてる料理で、
見た目は地味だけど、味はしっかり。塩気と香りのバランスがちょうどよくて、日本人でも全然いけます。
あと、「レッドボルシチ」もよく見かけました。
ビーツの赤がぱっと目を引くスープで、野菜の甘みがしっかりしてて、ちょっと酸味もあって、これも美味しかったです。
そして何より、紅茶文化が根付いてるのも印象的でした。
カフェやティーハウスで、ポットでたっぷり出てくる紅茶と、甘いお菓子。
食後とか散歩の途中に、ゆっくりお茶を飲む時間って、けっこう贅沢でした。
全体的に、派手さはないけど、ちゃんとおいしい。
そういう“ちゃんとした食事”が多かった気がします。

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バクーの現代文化:未来と芸術が交差する都市のもうひとつの顔
この街は**“今”を生きる文化の発信地**としても、すごくエネルギッシュ。
その象徴とも言えるのが、建築家ザハ・ハディドによるヘイダル・アリエフ・センター。
あの建物、外から見るだけでもすごい存在感で、
波みたいな形をしていて、角度によって見え方が変わるのが面白いです。
中ではアゼルバイジャンの伝統文化とか、現代アートの展示もあって、
なんていうか、ちゃんと「今も表現してる芸術・文化の街なんだな」と感じました。
他にも、美術館とかBaku Book Centerみたいな文化スポットも街中にいろいろあって、
どこもわりと気軽に立ち寄れる雰囲気。
特にBaku Book Centerは本棚の並び方からしておしゃれで、
中のカフェでのんびり過ごすのもよかったです。
音楽もよくて、週末の旧市街ではちょっとしたコンサートがあちこちでやってました。
ロックとかクラブ系の音楽が流れてて、観光っぽさと地元っぽさがちょうどいい感じで混ざってた印象。
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旧市街 イチェリシェヘル(İçərişəhər):時が止まったような空間
世界遺産にも登録されている旧市街・イチェリシェヘルは、
バクーの中心にあるのに、一歩入るとまるで別の国のよう。
細く入り組んだ石畳の路地と、風化した城壁。
その中に整った街並みが静かに広がっていて、
どこかヨーロッパの古い街を歩いているような雰囲気がありました。
もちろん「乙女の塔」や「シルヴァン・シャー宮殿」といった名所もあるけれど、
実際に印象に残ったのは、そういったスポットよりも、
街全体の空気感や、きれいに整った路地の景色だった気がします。
正直、バクーは旧市街を歩くだけでもけっこう楽しめます。
街並みがきれいで雰囲気もあって、“ザ・観光に来ました”感をしっかり味わえるのがいいところ。
そしてその城壁のすぐ外側には、レストランやカフェが立ち並ぶ、ちょうどいい抜け感のあるエリアが広がっています。
ここはイチェリシェヘルの外ではあるけれど、感覚的にはその延長のような場所。
伝統料理からモダンなカフェまでいろいろ揃っていて、旧市街の散策の合間に立ち寄るにはもってこいのスポットです。
でも、あれこれ観光名所を回らなくても、
ただ路地をぶらぶらしてるだけで意外と満足できてしまいます。




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最後に:感性を取り戻す旅としてのバクー
今回、ドバイからゴールデンウィークを利用してバクーに行ってきました。
日本からだと少し距離はあるかもしれませんが、それでも「ここは来る価値あるな」と感じる場所でした。
なにがよかったかというと、とにかく街がきれいで、歩いているだけで歴史と文化がじんわり伝わってくるところ。
どこを切り取っても絵になるし、建物の雰囲気や石畳の感じに、なんとも言えない味があります。
「観光地を巡る」というより、「街そのものを楽しむ」ってこういうことかもなと。
今回は市内観光だけだったんですが、次はゴブスタンの岩絵群や**ヤナルダグ(火の山)**みたいな、もっと自然や歴史の深い場所にも行ってみたくなりました。
仕事のペースに追われていると、気づかないうちに疲れがたまっていたり、都市のスピードに飲まれそうになったりしますよね。
そんなときに、バクーのゆるやかで静かな時間や、重ねられてきた文化の空気感が、ふと心に沁みてくる気がします。
整った都市生活にちょっとだけ疲れている人。
“派手じゃないけど、ちゃんと意味のある時間”を過ごしたい人。
そういう人には、**バクーってちょうどいい“距離感のある旅先”**になると思います。
そして自分は——
絶対また来よう。そう思わせてくれる街でした。
