〜DD STYLEの収益管理運用をスムーズにするために〜
🔍 はじめに
クライアントに提供している定期的なレポーティング業務、毎月のように発生する「フォルダ作成」や「データ整理」、つい手動でやっていませんか?
私たちが2025年3月にサービスリリースした「DD STYLE」でも、クライアント様ごとの月次収益管理が必要で、毎月のGoogle Driveフォルダ整理やデータ転記、レポート送信が必要となり業務の自動化を検討しています。
完全自動化して業務効率化をすべく、以下のような自動化の全体構想を立て、まずは「フェーズ1」の実装に着手しました。
DD STYLEは、企業のブランディングを革新的に支援する無在庫EC代行サービスです。
IT知識やデザインスキルがなくても、弊社に依頼するだけで、簡単に商品展開が可能です。
在庫リスクゼロで、低コストかつ効率的なブランディングモデルを提供します。

🗂 全体構成:フェーズ1(Printful → S3 → Zapier) → フェーズ2( Google Sheets → Gmail)
フェーズ1
内容 | 実装ツール |
---|---|
① 毎月1日、Google Driveに年・月のフォルダを自動生成 | Zapier |
② 毎月1日、Printful APIで前月注文取得・クライアントごとにCSV分割しS3へ格納 | D-makeサーバー(バッチ処理) |
③ 毎月2日、ZapierでS3のCSVをGoogle Driveへ格納 格納後、Mattermostへ通知(GoogleDriveのリンク付き) | Zapier Zapier + Webhook |
💡フェーズ2では、CSVをもとにGoogle Sheetsへの転記・Apps Scriptによる収益計算・自動メール送信までを検討中です。
Zapier(ザピアー)は、Slack・Google Drive・Gmail・Dropbox・Notionなど、5,000以上のWebサービスを連携させることができる自動化プラットフォームです。
「特定の条件で起動して、他のアプリに自動でデータを送る」といった**ノーコードの自動ワークフロー(Zap)**を構築でき、日々の繰り返し作業を劇的に効率化できます。
⚙️ Printfulのデータ取得とZapierの制限
当初は「Printfulからの注文データ取得 → S3格納」もZapierで処理する予定でしたが、Zapierが対応しているPrintful連携が古いAPI(v1系)であり、必要なエンドポイントにアクセスできないという制限に直面。
そのため、Printfulデータの取得〜S3への格納処理は、D-make側サーバーで独自のバッチ処理を構築し、安定運用しています。
🎯 今回の記事の対象:フェーズ1 – ステップ①
この記事では、全体構成の中でも最初のステップ:
Google Driveに前月分の「年・月」フォルダを毎月1日に自動作成する
この処理をZapierでどのように自動化したかをご紹介します。
✅ 概要
このZapは、毎月1日に「前月」のGoogle Driveフォルダ(年フォルダ → 月フォルダ)を自動で作成するものです。

たとえば、2025年4月1日にこのZapが動作すると、自動で以下のような構造が作られます:
Google Drive(親フォルダ:DD STYLE)/
└── 2025/
└── 03
このフローは、Zapierの以下のステップを使って構成されています。
🔁 Zapフロー全体の流れ
Zapierステップ | 処理内容 |
---|---|
1. Schedule by Zapier | 毎月1日 00:00 にZapを実行するスケジュールを設定 |
2. Formatter(Date/Time) | 現在日付(Today)を取得 現在日付から「-1 month」で1ヶ月前にシフト(前月に変換) |
3. Formatter(Date/Time) | ②で取得した前月日付から「年(YYYY)」を抽出 |
4. Formatter(Date/Time) | ②で取得した前月日付から「月(MM)」を抽出 |
5. Google Drive – Find Folder | 年フォルダ(例:2025)が既にあるかどうか検索 |
6.7.10. Path by Zapier | 年フォルダの存在有無で処理を分岐(Path A / Path B) |
8.(A) Google Drive – Create Folder | Path A:年フォルダが存在しなかった場合、年フォルダを新規作成 |
9.(A) Google Drive – Create Folder | Path A:年フォルダを新規作成後、その中に月フォルダを作成 |
11.(B) Google Drive – Create Folder | Path B:既存の年フォルダの中に月フォルダを作成 |
📂 アウトプットのイメージ
毎月1日 AM6:00に Zap 実行
↓
前月の日付 → 年・月 に分解
↓
年フォルダ(例:2025)存在確認
↓
├─ 存在しない(Path A) → 年フォルダ作成 → 月フォルダ作成
└─ 存在する(Path B) → 月フォルダのみ作成
🔧 Zapierステップ別:年・月フォルダ自動作成フローの全解説(設定画面付き)
ここでは、Zapierで構築した全11ステップの設定内容を、実際の画面キャプチャとあわせて解説します。
実装の流れやZapierの使い方を学びたい方にも参考にしていただければと思います。
1. Schedule by Zapier(毎月の起動トリガー)
Zapier内で最も基本的なトリガー機能。「毎月1日」にこのZapを実行するようスケジューリングします。
Zapの自動化の起点となるステップです。


2. Formatter(Date/Time)– 前月の日付を取得
Zapが実行された当日(例:2025年4月1日)から「1ヶ月前」にシフトします。
これにより、前月(例:2025年3月1日)の日付を自動で取得できます。


3. Formatter(Date/Time)– 年(YYYY)の抽出
前月日付から「年」の部分だけを抽出します。
Drive上に「2025」といった年フォルダを作成するために使用します。


4. Formatter(Date/Time)– 月(MM)の抽出
同様に、前月日付から「月」の部分(例:03)を抽出します。
この値をもとに、Drive上で「月」フォルダを生成します。


5. Google Drive – Find Folder(年フォルダの存在確認)
Google Drive上に、抽出された「年フォルダ(例:2025)」がすでに存在しているかどうかを検索します。
Zapierでは、DriveのフォルダIDを後続処理に使うため、この検索ステップがとても重要です。


6・7・10. Path by Zapier(年フォルダの有無による分岐)
このステップでは、年フォルダの検索結果をもとに処理を2つに分岐します:
- Path A:年フォルダが存在しない → 新規作成してから月フォルダを作成
- Path B:年フォルダが存在する → その中に月フォルダだけ作成
条件に応じて適切な処理がされるように、ZapierのPath機能を使用しています。
※6.についてはアクション追加のみで、設定はありません。


8. Google Drive – Create Folder(Path A:年フォルダ作成)
年フォルダが存在しなかった場合、まずは新たに「2025」などの年フォルダを作成します。
この後に月フォルダを作成するための親ディレクトリとなります。


9. Google Drive – Create Folder(Path A:月フォルダ作成)
ステップ8で作成した年フォルダの中に、「03」などの月フォルダを新規作成します。
これで年→月のツリー構造が整います。
ここでのポイントは、親フォルダとして「ステップ8で生成された年フォルダのID」を指定していることです。
Zapierでは、フォルダを階層構造で管理する場合、「どのフォルダの中に作成するか?」を明示的にIDで指定する必要があります。
この設定により、「2025 → 03」のような階層が自動的に作られます。


11. Google Drive – Create Folder(Path B:月フォルダ作成)
年フォルダがすでに存在していた場合は、検索結果のフォルダIDを使用して、その中に月フォルダだけ作成します。
事前に検索した「既存の年フォルダのID」を親フォルダとして指定し、その中に新しく月フォルダを作成します。
こちらも、Zapierの仕様上「フォルダ名だけでは階層構造を制御できない」ため、正確に親IDを指定することが非常に重要です。
ステップ5で取得した既存の年フォルダIDを使うことで、Path Bでも確実に正しい場所に月フォルダが作成されます。


✅ まとめ:Zapierを使った自動化の第一歩
このフローは、DD STYLEでの月次収益管理業務の一環として構築しました。
ZapierとGoogle Driveの連携により、「属人化しやすい定型作業」を手放しで実行できる仕組みが生まれています。
このあとには、S3との連携、CSVの自動取得、スプレッドシート連動、さらにはメール通知へとつなげていく予定です。
次回以降の記事も、ぜひ楽しみにしていてください!
